十兵衛は3部作なんですよね。
柳生忍法帖、この魔界転生、
それで最後の……いわく十兵衛が死ぬ完結作
は、発表されてるのか?
結局未完成のままなのかな?
ま、それはともかく。
今回は前回、柳生忍法帖と違って
(とはいえ、忍法帖と魔界転生は繋がってませんが)
相手が相手だけに十兵衛も全く余裕なし。
あの手この手を駆使し、辛くも勝利をつかむといった感じ。
最近のバトル物のマンガとかを見るとですね、
この風太郎氏ってのはすごいなあ、とつくづく感じます。
とにかく、戦闘のシーンが短いですよね。
やっぱり戦闘が一番の見せ場なんですけど、
上にあげるような少年マンガはこの見せ場をクドクドとつづけて、
見せ場をより大きく、長くしてる、というんでしょうか?
なんかそんな感じですよね。
対し風太郎氏はむしろ逆で、こうズバッと殺り合い、
ババッと終わるんですよね。
そして、この瞬間的なやり取りの中にも静と動の機微があり……
ああ、なんか話がズレましたね。
戻して、本編の感想ですが。
うーん、やっぱり一度映像としての魔界転生を見てみたい、てのはありますねえ。
こういうのは見たら失望するのが定石ですが……
『「石から離して、介抱してやれ。お雛、当分、石の代わりにおまえ
抱かれてやるがいい。
――いや、これは冗談だ。あ、これ、その綱を切ってはとりかえしがつかぬ。そのさきにはまだ弥太郎がぶらさがっておる。――」』
(44頁)
こういうユーモラスを入れるのを忘れない。
それが風太郎クオリティ、とな。
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