石田ゆうすけ
「行かずに死ねるか! 世界9万5000km自転車ひとり旅」
読みました。
なんとやらは小説より奇なり、とはよく言いますけど、
まさに、を体現したかのようなお話。
正直、この本はかなり休み休み読みました。
うーん。
消化が追い付かないというか……
中身が濃すぎるというか、なんかすごいですね。
解説にも似たような事が書いてありましたけど、
次々と起こる、出会う様々な人や物事は勿論なんですけど、
それ以上に、それに対しての一つ一つ深く感動して考えを深めていく筆者の情緒がしっかりと描写されているんですよね。
勿論、これは後から考えてみれば、というのも結構あったりするんでしょうけど。
いろんな世界を旅し、触れあい、
多くのストーリーを知る。
でも出会ったそれは決して始めから終りまでを含んでるわけじゃない。
例えばそれは始めの部分だけだったり、逆に終わりの部分だったり、
はたまた、中盤の盛り上がりを見せる部分であったり、と。
彼が出会った多くの人はその人自身の物語を生きていて、それで彼はその人たちを見届ける観察者ってわけじゃなく、ただのチャリダーにすぎない。
だから、彼らの今まで来た道を知らず、そして行く道も知らず。
でもそれでも、その時、出会った時、共有した時をお互いにかけがえのないものとして胸に秘める。
これはある面での旅の一つの醍醐味なのかもしれないですね。
この本を読んで一番に痛感したことは、
どれだけ日本が衛生なのか、てことですね。
いやー、日本に生まれてよかった。
でも、筆者が旅先で出会ったような心を持つ人が今の日本にどれだけいるものなのか……
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