中島義道 「人生に生きる価値はない」
読みました。
哲学エッセイ集 です。
前半部分は、正直読んでてウンザリしてくるところがちょこちょこあった。
ああ、哲学屋ってこんなやつばっかだよな……という感の、なんかそういうのありますよね。
後半部分は結構面白かったです。
残念ながら私はニーチェとかカントの書物は読んでいないので、
(そもそも哲学書すら読まない)
そういう部分で??な部分はありましたが、そこらへんをスルーしても、興味深いお話でした。
『協調性の弊害をまったく念頭に置かず、そこから逸脱する行為を「わがまま」と言って一刀両断のもとに切り捨てるあなたのような大人こそ、いじめの根本原因なのだ、と言いたい。』
(14頁)
『生活が安定し、さしあたり戦争によって殺されることも飢饉によって死ぬこともなく、災害によって身包み剥がされることも最小限度に抑えられ、強姦や殺人や傷害など、人間の奥底に潜む凶暴性が極小までに抑えられている現代社会は、どう考えても生物体にとっては「病的」であるように思う。』
(43頁)
『しかも、この耐え難い状況の憂さ晴らしをしようとしても、現代社会では、各人は――自然に反して――攻撃欲を抑え、弱者を保護し、平和と秩序を愛し、つまり我慢に我慢を重ねねばならないと来ている。眼前に欲しい商品があっても盗んではならず、眼前に若い魅力的な女体があっても触ってはならず、眼前に鳥肌が立つほどに厭な奴がいてもぶち殺してもならず……とすると、あとは精神に変調をきたすしかないではないか! せめて、そうやって自分を救うしかないではないか!』
(45頁)
とすると、よく言われる、日本人の秩序性ってのは、
ある意味この、ネット上(2ちゃんねる等)で本音での罵り合いの結果、というわけなんだろうか。
昨今、ネット上での殺人予告だのなんだのといった問題行動が、祭り上げられることが多いけど、
それらも、日本人にとっては、必要な行為なのかなーと思った。
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