網野 善彦 「歴史を考えるヒント」
を読みました。
内容紹介
日本、百姓、金融……。歴史の中で出会う言葉に、現代の意味を押しつけていませんか。「国名」は誰が決めたのか。
「百姓=農民」という誤解。
そして、聖なる「金融」が俗なるものへと堕ちた理由。
これらの語義を知ったとき、あなたが見慣れた歴史の、日本の、世界の風景が一変する。
みんなが知りたくて、誰も教えてくれなかった日本史を、中世史の大家が易しく語り直す。日本像を塗り替える名著。
一部、前回読んだ、「日本の歴史をよみなおす」の内容と被る部分有り。
ただ、そちらの内容を補足している部分もあるので、両方読んでも無駄、ということはないようです。
また「日本の歴史をよみなおす」よりも、より(歴史の考察だけでなく)筆者の思想がより主張されているように感じます。
(天皇廃止、建国記念日の変更……等)
いやしかし、非常に勉強になります。
「日本」の意味、とか、よくわかってなかった。
日出ずる国、て太陽が出てくる国とかそういう意味だと思ってたけど、
単純に太陽が出てくる方向の国、で(当時の中国の)東にある国、という意味らしいですね。
はー、なるほどー。
範馬勇次郎がよく言ってる「たわけ!」の語源説明も載ってます。
ぜひ知っておきたいところですね。
また、特に注意すべきなのは、非人は「人に非ず」と書きますが、決して差別語ではなかったということです。
奈良の興福寺に見事な阿修羅の彫刻があります。
当時は、あのように異様な姿をして仏を守護する役割を果たす人のことを「非人」と称しています。
つまり、まさしく人の力を超えた存在として、「人ならぬ姿をした人」という意味で使われています。
(132頁)
非人も元々はある種の神聖さを伴った呼称だったんですね。
でも同じように差別語になってる えた の方は最初から差別語(蔑称)として生まれたようです。
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